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【解体】空き家解体ローン

【空家等対策の推進

2015年5月26日に空家等対策の推進に関する特別措置法が完全施行されました。

皆様御存知の通り適切な管理が行われていない空き家は「危険空き家等」と認定され、所有者に対して今後指導・勧告が行われていく予定です。

空き家所有者が勧告に従わない場合であっても政府や自治体が強制的に住宅を解体することが可能となり、もちろんその際の解体費用は請求されてしまいます。

住宅を放置してしまえば防犯や防災面での安全性に懸念を抱いてしまうことを認識していても解体費用がネックとなり、頭を悩ませている所有者も多いかと思います。

 

【解体費用額

総務省の平成25年住宅・土地統計調査によれば、秋田県一住宅あたりの平均床面積は138.6㎡(41.7坪)とされています。

木造住宅解体工事費は1坪平均30,000円なので41.7坪の木造住宅を解体する場合、41.7坪×30.000円=1,252,350円となり解体するだけでもかなりのコストが発生してしまいます。

そのため各自治体では危険廃屋の解体撤去に対し補助金を交付する制度を設けています。

秋田県横手町では「老朽危険空き家解体補助事業」を実施しており、解体及び撤去処分費用の30%(上限金額30万円)の助成が行われています。

ですが先述の例の解体時に助成金制度を利用した場合でも約950,000円の費用が必要となってしまい、空家解体の推進には繋がりにくくなっているのが現状です。

そこで各自治体の助成金のみでは解体することが難しい空き家所有者に対し地方銀行が「空き家解体ローン」の取り組みを開始しました。

 

【空き家解体ローンとは】

空き家解体ローンとは増加傾向にある「空き家」の現状を踏まえ地方銀行が解体費用の一定金額まで融資を行うサービスです。

解体ローンは秋田銀行を始め、現在7箇所の銀行で行われています。

また融資金額・融資期間・融資利率は各銀行により様々ですが、融資金額10万円~300万円、融資期間3ヶ月~5年以内というのがほとんどです。

解体ローンを導入する地方銀行は自治体と提携していることが多く、解体時の資金支援において各自治体の空き家除去費補助金制度と同時に利用し「空家等対策の推進」「住民サービスの向上」に努めることを目的として行われています。

 

【解体ローン利用条件

例えば、秋田銀行で導入されている「空き家解体ローン」利用対象者は下記の通りになります。

 

  • 申込時年齢20歳以上
  • 安定収入のある方(年金収入を含む)
  • 年金受給をされている場合、当行預金口座を年金受取口座としている方
  • 団体信用生命保険に加入申込いただける方
  • 保証会社の保証が得られる方

 

一方、大手銀行が融資を行う多目的ローンを利用し、解体費用を一時的に支援してもらうことも一つの案かと思います。

大手銀行では「みずほ銀行」「三菱東京UFJ銀行」「三井住友銀行」「ゆうちょ銀行」の4行で解体費用ローンを組むことができます。融資金額・融資期間・融資利率は各銀行により様々ですが融資金額は10万円~350万円程となり、融資期間は6ヶ月~8年以内であれば支援を受けることが可能となります。一部の地方銀行よりも条件が厳しくなっておりますが、返済額シミュレーション機能があり毎月の返済額を確認することができます。

 

例えば、みずほ銀行で導入されている「みずほ銀行多目的ローン(無担保)」対象者は下記の通りです。

 

  • 借入時年齢が満20歳以上満66歳未満で最終返済時年齢が満71歳未満
  • 勤続年数2年以上
  • 前年度税込年収が200万円以上
  • 保証会社の保証を受けられる場合

 

【返済金額シミュレーション

上記の例と同じように秋田県横手町内の木造住宅を解体した場合、地域の助成金30万円の支援を受け、残りの解体費用95万円分をみずほ銀行で融資したとします。

その際の月々の返済金額をシミュレーションした内容を下記にまとめました。

 

・ローン種類:みずほ銀行多目的ローン

・融資金額:95万円

・ボーナス月の返済金額(倍):1倍

・融資年数:7年

・金利方式:変動金利

 

このように設定すると毎月の返済金額は14,280円となり、助成制度だけでなく各銀行で行われている解体ローンを利用することで、解体時の費用負担を一時的に抑えることができるようになります.

※参考の為の概算値となりますので正確な数値に関しては都度お問い合わせ下さい

 

【解体費用の協力事業増加

法律改正に伴い「空き家解体ローン」を導入する地方銀行が増え、今年の5月だけでも福岡銀行や西日本シティ銀行が取り組みを開始しています。

地方銀行では金融面での協力を行うことを目的とした事業が取り組まれており、各自治体と提携し火災や倒壊の恐れがある空き家を減らす対策を進めています。

現在、宮崎銀行も解体ローンの取り組みを検討しており、今後他の地方銀行にも広がることが期待されます。

空き家を解体する際のコストでお悩みの方は、空き家解体ローンを利用してみるのも一つの方法かもしれません。

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