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米子市、特措法適用で倒壊危機の空き家除却を開始

陽田町の特定空家、代執行で取り壊しへ

米子市の建築指導課は9日、同市陽田町にある所有者不明の空き家について、「空家等対策の推進に関する特別措置法」第14条第10項の規定に基づいた略式代執行を開始、対象建築物の取り壊しを始めたことを明らかにした。

空家等対策の推進に関する特別措置法は、2014年11月27日に交付され、2015年2月26日(一部は同年5月26日)より施行されたもの。近年、各地で増加する適切な管理がなされないまま老朽化した空き家などが、防災、衛生、景観といった面で地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼし始めていることを考慮し、安心・安全な生活環境の保全の観点から、自治体に一定の権限を与え、情報収集や跡地活用、除却・修繕といった必要な措置をとれるようにしている。

今回、米子市が略式代執行での撤去を始めたのは、陽田町143番の3にある木造瓦葺平屋建て、40.85平方メートルの建物。物置の用途となっているが、建物が面する市道側に著しく傾いてきているほか、布石基礎の劣化状態も激しく、壁は一部が崩落、このまま放置した場合、倒壊の危険性が高いと判断されたことから、昨年11月1日付けで所有者または管理者に対し、12月20日までに除却を行うよう求める公告を行っていた。

(画像は米子市建築指導課報道発表資料より)

公告を行うも所有者不明のまま強制執行に

米子市ではこの建物について、所有者や管理者など、必要な措置を命ぜられるべき人物を特定するため、国の施策で示された情報の内部利用などで情報収集や調査を進めてきたが、結果的に明らかとすることはできず、また公告によっても期限内に除却がなされなかったため、行政代執行の方法により、取り壊しの強制執行を開始するにいたった。

こうした措置がなされる「特定空家」とは、今回のように倒壊など著しく保安上の危険となる恐れのある状態にある空き家のほか、衛生上有害な恐れが高いもの、適切な管理が行われず周囲の景観を損なったり、生活環境に悪影響を及ぼし放置が不適切といえる状態になったりしているもの。

これらには措置実施のため、市町村による立ち入り調査が許可されており、一般に指導、勧告、命令、代執行といった流れで対処できる仕組みになっている。

今回、米子市が取り壊し撤去を開始した建物の近隣には、小学校や保育園があるほか、市民体育館や陸上競技場、県営の水泳場などもある。

米子市 建築指導課 報道発表資料
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