管理代行サービスの普及
空き家管理代行サービスとは何らかの理由で所有している空き家・空き部屋の管理・清掃ができない所有者の代わりに専門業者が管理・清掃を行うサービスです。管理が行き届いていない住宅は敷地内の環境悪化、老朽化の加速などの問題を抱えると同時に放火・不法占拠といった事件のターゲットとなるため適切管理が大切なのですが、急な転勤・入院のために自宅を留守にしてしまったり、相続した家が遠方にありついつい管理が疎かになっているケースが多いのが現状です。
空き家を解体せずに「いつかはまた住むかもしれない」「誰か借りてくれる、買ってくれるかもしれない」と考える所有者は空き家管理代行サービスを活用していることが多いです。
管理代行サービスとは
日本全国には80社以上の「空き家管理代行サービス」が存在します。事業主体は「土木、建設、剪定業者」「不動産業者」「維持管理業者」「便利屋等」「NPO法人」と5つに分かれており、業務内容は代行会社により異なりますが基本的に「室内業務」「屋外業務」がありそれぞれの業務内容は下記の通りです。
- 室内業務
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「通風・喚起」「清掃・片付け」「確認・点検」「不用品処分」
室内業務の場合、空き家を所有している方から鍵を預かる必要があるため、オプションメニューとしていることが多いです。換気室内の管理を行うことで二酸化炭素、湿気、ハウスダストなど建屋老朽化の原因を解消し建屋の寿命を大きく伸ばすことが可能となりますので、将来的にも解体せず今ある建屋を活用したい場合には必須の項目です。
- 屋外業務
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「郵便物の確認」「清掃・片付け」「確認・点検」「剪定」
室外業務の場合、空き家を所有している方から鍵を預かる必要がないため、外観など基本的なサービスメニューとしていることが多いです。外観を健全に保つことにより周辺住民へ安心感を与え、人の出入りがあることで管理者を明示し不法侵入・不法投棄などを目論む不審者を遠ざけるメリットも得られます。
メリット
管理代行サービスの平均月額料金は8,500円程度です。仮に毎月一度だけ空き家管理代行サービスを利用した場合、年間コストは102,000円程となります。物件を複数所有していたり遠方に物件がある場合の移動コスト・時間を考えるとこの金額で専門業者の手入れができるのは魅力的ではないでしょうか。
また、サービス終了時に写真付きの報告書が作成され溜まっていた郵便物とともに郵送を行っている業者もあり、所有者は写真で住宅の現状を確認することもできます。実際に管理代行サービスを利用した所有者によると「担当がとても丁寧で安心」「毎月報告があると安心して任せられる」など概ねメリットが大きいようです。
空き家対策の推進と管理代行サービス
2015年5月26日に空家等対策の推進に関する特別措置法が完全施行され「特定空家等」に認定された空き家は固定資産税1/6の軽減措置が受けられなくなってしまいます。
評価額1200万円の小規模住宅用地を所有している場合に軽減措置対象となれば1200万円×1.4%×1/6=28,000円が収めるべき固定資産税となります。
しかし法律改正により住宅が特定空家等に認定されてしまった場合には28,000×6=168,000円の税金を負担をすることとなります。
優遇措置が外れて固定資産税額168,000円の支払いを行う場合と空き家管理代行サービスを利用した金額102,000円の支払いを行う場合を比較してみると168,000円-102,000円=66,000円と大きな差額が発生します。評価額1200万円の場合でこの差額ですので実際の差額はより大きくなることが予想されます。
このような背景から今後も空き家管理代行サービス業者や利用者は増えていくことが予想されます。自身で管理を行わなくても「エリア」「環境」「サービス内容」にあった管理代行サービスを利用することにより適切な空き家管理を継続することが可能となります。
空き家・空き家管理代行サービスに関する問題、相談があればぜひ一度担当者までお問い合わせください。